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2009.12.03 Thursday
平山郁夫画伯逝く
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突然の訃報でした。79歳、脳梗塞で、、、 私が初めて平山郁夫さんに関心を持ったのは、中学生の頃。朝日新聞だったかに、初の注目作品「仏教伝来」の記事が載っていて、広島にあって被爆し、ずっとその後遺症や死の恐怖の中で救いを求める気持ちで描いた作品とかいうような内容だったと記憶しています。 それ以来、平山郁夫さんの画にはずっと関心を持ち続けてきましたが、、、たしか井上靖の「敦煌」の挿絵は彼だったのでは?? 展覧会には、出来るだけ足を運び、画集にサインをもらったりしました。とても温厚な人柄の方でしたが、しっかりとした筆致でサインをしていただきました。 ![]() シルクロードを描き続けて、その保護と保存についても力を尽くされましたが、一番心に残るのは、「広島生変図」。広島が焼き尽くされたあの日、殆どが紅蓮一色の六曲屏風。業火の中に不動明王が怒りをこめた表情で更なる天に挑んで立っている。いつもは、青や金、カーキ色を基調とした静寂な作品が多いのに、こんな迫力が秘められていたなんて!?でした。この作品に向かうまでには多くの葛藤があったそうです。でも、描かなければ、、、の一心が描かせたメッセージです。このメッセージを私たちはどう受け取ればいいのか、、、 砂漠を行く隊商。その蜃気楼の中に平山郁夫さんは旅立ったのでしょうか、、、 巡礼のはてに辿り着いた約束の地はどんな所でしょうか? ご冥福を祈ります。 ![]() |
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